管理栄養士、そしてNST専門療法士(医師や看護師、他医療職とチームを組み、患者さんの栄養管理にあたる臨床栄養の専門資格)。
精神科病院、介護施設、急性期病院。約三十年にわたり医療と介護の現場で、延べ千人以上の方の栄養相談・栄養指導に携わってきました。栄養指導だけでなく、実際に厨房で調理も担当し、自分が作ったものが患者さんにどう食べられ、どう体に返っていくかを、現場で見つめ続けてきました。だから私は、知識を語るだけの専門家ではありません。理論と実践の間を、何度も行き来してきた人間です。
現場の深いところで、私は同じことを何度も思いました。「病気になる、そのずっと手前で、毎日の食から整えられていたら」と。治療の最前線を見てきたからこそ、私が本当に伝えたいのは、そこです。体を壊してからではなく、壊れる前。そして、その出発点にいるのが、子どもたちです。
私が大切にしているのは、たったひとつ。体は、食べたものでできている、ということ。自然の恵みをなるべくそのままいただくこと。手を加えすぎたものより、昔から受け継がれてきた食を、暮らしの中で選び続けること。
そして何より、知識を覚えて終わりにしないこと。食は、実践してこそ体をつくります。だから私の講座は、正解を暗記する場所にはしません。あなた自身が、自分の暮らしの中で食を考え、選んでいける——その土台を育てることを、いちばん大切にしています。
完璧でなくて、大丈夫。ひとつずつ学び、台所で試していくうちに、自分で食を選ぶ力は確かに育っていきます。その積み重ねに、私は寄り添いたいと思っています。